赤げふの数学

数学・物理・微分の大学2年生 赤げふのBLOG

[問題]

関数fのp回合成をf^{p} (x)=\overbrace{f(f(\cdots f(}^{p}x) \cdots )と書く。

自然数pに対し複素数係数有理式f(x)f^{p}(x)=x...(0)となるものを求めよ,

 

 

御無沙汰です。久しぶりの更新です|*・ω・)チラッ

自作問題です

ある意味不十分な解答です(ごめんなさい)

 

[解答]

 

 

 


f^{p}(x)=xで右辺は\mathbb{C} \cup \{\infty \}全単射なので、f(x)も上全単射である。...(1)

 

f(x)は有理関数なので代数学の基本定理から

f(x)=\dfrac{h(x)}{g(x)}(ただし既約分数、h(x)\perp g(x))と因数分解できるが、

相異なる複素数u,vがあってh(u)=h(v)=0となるときfの単射性(1)に反するので

h(x)は1次式の冪である。同様にg(x)も1次式の冪。

ところでg(x),h(x)の一方が2次以上の式ならf(x)の値を固定したとき

xの方程式で相異なる解が2つ以上出るが、fの全射性(1)に反する。

よってg(x),h(x)は高々1次式。

 

まず1次式f(x)=ax+bと仮定して(0)から
f^{p}(x)=a^{p} x+b\sum_{k=1}^{p} a^{k}=xより
\zeta_{p}=e^{\frac{2\pi i}{p}}と置くと
(a,b)=(1,0),(\zeta_{p}^{k} ,t) (\forall t \in \mathbb{C},k=1,2,\cdots p-1)
f(x)=x,\zeta^{k}_{p} x+t (\forall t \in \mathbb{C},k=1,2,\cdots ,p-1) ...(2)

 

これを除くと

f(x)= c+\dfrac{b}{x-a}.  (b\neq 0 )と書ける。

このとき次の事実が成立する。ただしp>1 

 

あるtが存在してf(t)\neq t \cap f^{p}(t)=t\Leftrightarrow f^{p}(x)=x

 

(\Leftarrow )は自明。(\Rightarrow )は分母を払って

 f^{p}(x)=\dfrac{x+\alpha}{\beta x+\gamma}なる形に帰着できる。自由度は3なので

a,b,cを調整し\alpha =\beta =0\gamma=1に持ってければ勝ちです。

f(x)不動点について見ると、2次方程式から、高々2点の不動点が出る。

もし重解がある時、不動点は1つだけだがその点における微分係数は1になり、

結局2自由度分の情報が得られる。...(3)

あとは1点の情報f^{p}(t)=tを付加すればa,b,cを決定できるのでok

(3)の計算は、不動点zがz=c+\dfrac{b}{z-a}を満たすので解いて

z=\dfrac{a+c \pm \sqrt{(a-c)^{2}+4b}}{2}となる。重解の際-4b=(a-c)^{2}だが

f'(\dfrac{a+c}{2})=\dfrac{-4b}{(a-c)^{2}}=1

よって示された。

 

以上より、解は

f(x)=x,\zeta^{k}_{p} x+t (\forall t \in \mathbb{C},k=1,2,\cdots ,p-1)

f(x)=c+\dfrac{b}{x-a} であるt\in \mathbb{C}が存在してf^{p}(t)=t\cap f(t)\neq t

全単射であることが超強い条件だなという実感です。

 

 

最近ある研究の過程で次の微分方程式が出てきたんですが、

全く解けなくて1ヶ月以上苦しんでいます。

y'^{2}-y''y=x^{-2}

部分的な変形でも良いので何かお助けお願いします! 

特殊すぎる解ですが

\displaystyle y(x)=\lim_{h\to \infty} h+\dfrac{1}{h} \log x

という「「発散表示」」は見つけました。

xについて同次形なのでx=e^{t}と置換し、

更に微分次数下げを行って、p=\dfrac{dy}{dt}とすれば

p^{2}-py\left( \dfrac{dp}{dy}-1\right) =1

が得られます。

log味が強いのでx=0での冪級数法は通じないでしょう。

x=1とかでプログラムで計算できる方とかいらっしゃらないかな