赤げふの数学

数学・物理・微分の高校生 赤げふのBLOG

鏡映群と微分作用素とDunkl作用素

(新)こんにちは〜ドス( *・ω・)ノ クリスマスが近づいて来ましたのでそれにまつわる話をしようと思いました!!どす!! Dunkl作用素(1989年導入)はナブラ演算子の鏡映群的対称性を取り入れた性質の良い一般化どす。定義は参考webサイト読めば大体掴めるどす。Coxeter群Gに付随する既約ルート系(Lie環論の文脈とは定義違うどす)R上のR乗法的関数\mu :R\rightarrow \mathbb{C}、即ちルートu,v(をそれにより定まる鏡映\sigma_u,\sigma_vと同一視したもの)がGで共役ならば\mu (u)=\mu (v)を満たすR^{n}上の関数\mu を固定するどす。x=(x_1,\cdots,x_n)\in \mathbb{C}^{n},\nabla =\left(\dfrac{\partial}{\partial x_1},\cdots,\dfrac{\partial}{\partial x_n}\right) =(\partial_1,\cdots,\partial_n)R_+Rの正ルートどす(単純ルートと勘違いしてて修正忘れてました。ごめんなさい)

\mathbb{C}^n上正則関数fに作用するDunkl作用素の定義式は、 \begin{align}\mathfrak{D}=\nabla +\sum_{v\in R_+} \mu (v)\dfrac{1-\cos \pi (x・v)(\nabla ・v)/v^2}{x・v}v\end{align} どす。 各成分について見てみると \begin{align}\mathfrak{D}_j f(x)= \dfrac{\partial f(x)}{\partial x_j}+\sum_{v\in R_+} \mu (v)\dfrac{f(x)-\cos (\pi (x・v)(\nabla ・v)/|v|^2)f(x)}{x・v}v_j\end{align} となるどす。この作用素の素晴らしい点としてラプラシアンが自然に定義できる、即ち可換性\mathfrak{D}_j \mathfrak{D}_k=\mathfrak{D}_k \mathfrak{D}_jが成立するどす。1番単純な例ではf(x)\mapsto f'(x)+\alpha\dfrac{f(x)-f(-x)}{x}

f(x,y)\mapsto \left(\dfrac{\partial f}{\partial x}+\alpha\dfrac{f(x,y)-f(x,-y)}{y},\dfrac{\partial f}{\partial y}+\beta\dfrac{f(x,y)-f(-x,y)}{x}\right)など。なおvによる鏡映の関数への作用\sigma_v f(x)=f(\sigma_v x)について \begin{align}σ_v=\cos \pi (x・v)(\nabla ・v)/v^2\end{align} なる公式が成立するどす。私はこの公式の真に驚くべき一目でわかる証明を発見したどすが、余白が2次元どす...。 【証明】 もう1次元y軸を追加すると正規直交座標(x_1,\cdots,x_n,y)\in \mathbb{C}^{n+1}でのx_k,y平面の\theta回転作用素\mathcal{R}_{k}(\theta ):g(x_k,y)\mapsto g(x_k \cos\theta -y\sin\theta,x_k\sin\theta +y\cos\theta)は以前記事に書いたLie代数の関係式をLie群SO(2)の公式(まだ記事化してないどす、過去記事の実数回Fourier変換の関係式と見比べてくださいどす)として使うことで \begin{align}\mathcal{R}_k (\theta)=e^{\theta (y\partial_k -x_k \partial_y)}\end{align} とできるどす(物理人なら回転の演算子で伝わるはずどす)。よって \begin{align}\left(\begin{array}{}v\\
0\end{array}\right) =\mathcal{R}_n(\theta_n)\cdots \mathcal{R}_1(\theta_1)\left(\begin{array}{l}0\\
0\\
\vdots\\
0\\
r\end{array}\right) =\left(\begin{array}{l}r\sin\theta_1\\
r\cos\theta_1 \sin\theta_2\\
\vdots\\
r\cos\theta_1 \cdots \cos\theta_{n-1}\sin\theta_n\\
r\cos\theta_1 \cdots \cos\theta_{n-1}\cos\theta_n\end{array}\right)\end{align} と極座標表示できるどす。以前から何回も言ってる公式より\partial_y=\dfrac{\partial}{\partial y}として \begin{align}\cos\pi y\partial_y ・(0,\cdots,0,y)=(0,\cdots ,0,-y)\end{align} となるどす。v\mathcal{R}を使って回転させてy軸上に持っていけば、y軸に垂直な原点を通る超平面(線形空間\mathbb{C}^{n}、厳密に言えば\mathbb{R}^{n}どすが....)についての対称変換は\cos\pi y\partial_yとかけるので元の位置に戻す動作をすると鏡映変換の微分作用素表示ができることが昨日わかったどす!! Heisenberg群の交換関係をじっくり見るとad(z)g(\partial_z)を"微分"する、即ちad(z)・g(\partial_z)=-g'(\partial_z)を満たすので、 \begin{align}\mathcal{R}_k (\theta)g(\partial_k,\partial_y)\mathcal{R}_k(\theta)^{-1}=g(\partial_k \cos\theta +\partial_y \sin\theta,-\partial_z \sin\theta +\partial_y \cos\theta)\end{align} どす(論理飛躍)、回転作用素z,\partial_zの反対称性を見てみてどす。 結局v\mathbb{C}^{n+1}のルート(v,0)に対応させる単射によって鏡映変換は \begin{align}σ_{v}=&\mathcal{R}_n(\theta_n) \cdots \mathcal{R}_1 (\theta_1)\cos\pi y\partial_y (\mathcal{R}_n (\theta_n)\cdots\mathcal{R}_1(\theta_1))^{-1}\\
=&(\mathcal{R}_n(\theta_n) \cdots \mathcal{R}_2(\theta_2))\cos\pi (\mathcal{R}_1(\theta_1)y\partial_y \mathcal{R}_1(\theta)^{-1})(\mathcal{R}_n (\theta_n)\cdots\mathcal{R}_2(\theta_2))^{-1}\\
=&(\mathcal{R}_n(\theta_n) \cdots \mathcal{R}_2(\theta_2))\cos\pi (-x_1\sin\theta_1+y\cos\theta_1)(\partial_1\sin\theta_1 +\partial_y\cos\theta_1 )(\mathcal{R}_n (\theta_n)\cdots\mathcal{R}_2(\theta_2))^{-1}\\
&\vdots\\
=&\cos \pi (-x_1 \sin\theta_1 -x_2 \cos\theta_1 \sin\theta_2 \cdots -x_n \cos\theta_1 \cdots \cos\theta_{n-1}\sin\theta_n+y\cos\theta_1\cdots \cos\theta_n)\\
&×(\partial_1 \sin\theta_1 +\cdots +\partial_n \cos\theta_1 \cdots \cos\theta_{n-1}\sin\theta_n +\partial_y \cos\theta_1 \cdots \cos\theta_n)\\
=&\cos \pi (x_1 r\sin\theta_1 +\cdots +x_{n-1}r\cos\theta_1 \cdots \cos\theta_{n-1}\sin\theta_n+x_nr\cos\theta_1 \cdots \cos\theta_n)\\
&×(\partial_1 r\sin\theta_1 +\cdots +\partial_n r\cos\theta_1 \cdots \cos\theta_n)/r^2\\
=&\cos\pi (x・v)(\nabla ・v)/v^2\end{align} と書けるどす。途中、\mathbb{C}^{n+1}内でy座標が0なので\theta_n=\pi/2r=|v|となることを用いたどす。 Q.E.D ところで鏡映は対合(2回すると元に戻る性質)なので \begin{align}\cos 2\pi (x・v)(\nabla ・v)/v^2=1\end{align} という恒等式が成立するどす。 鏡映群はとても興味深い対象であるので、対称群を含んでいたり分類の議論を適用したり生成元を考えたりなど色々な偏微分の関係式が得られるどす。Dunkl作用素はその一端であり、最先端の研究に通じているどす。 忙しいのでこの辺の考察はまた今度どす。

鏡映はこれを参考にしましたどす

https://www.math.nagoya-u.ac.jp/~yanagida/17S/20170413.pdf

見ていただきありがとうございますどす