交換子の公式の準備
こんにちはー(`・ω・)b
Fractional Fourier Transform(FrFT,分数階フーリエ変換)の微分作用素の表示
(りんく)
の下準備としてこの記事を書きます。
微分作用素の交換子の計算をLie括弧積をつかって色々やります
形式的冪級数を
に変換する
ものである。冪級数の係数のみを取り出しのように
表すと無限次元複素ベクトル空間の元と対応するが、微分作用によって
と変化するので微分作用素は
行列という無限次元行列と見なせる。
この行列を介して微分作用素の指数関数を自然に導入できる。
幾つかは既に記事としてあります。
(クソ古い記事)
Lie括弧積の計算についてみていきましょ〜
[定義] 次を満たす線型空間上の双線型形式をLie括弧積と言う。
(Jacobi恒等式)
複素数の形式的冪級数環は線型空間で、そこに微分作用素を付加えて交換子を計算できる。
交換子の公式についてはここを参照してください〜
以後使う公式はここから出します。
、と書く。
混乱の無いようはスカラーでどの元とも可換に計算できる、は関数と定めておく。
記法上の注意だが、とをドット積""で厳密に区別する。
前者は作用素で、関数に作用させると
と計算される。後者はただの微分である。
関数値やスカラーのドット積はその値をそのまま掛けると定める
より作用に関してが成立。
特にとして
[1]
を導く。、量子力学では、正準交換関係(CCR)の数式として登場する。次の指数関数は量子力学の平行移動の演算子として登場する。
[2]
同様に変数変換してやると、並進演算子
[3]
が出る。q-derivativeと差分が、Lie環・群の対応のように結びつく。
[1]より特にであるので
[参照]より
と計算できる。
はなどと呼ばれるが、と変数変換してやればである。またJordan積はという記法もあり、は対称性を重視する際よく出てくる。
ここまでの複合された数式を幾つか見ましたが、一般の等号の成立の条件を実はよく理解していません。というのはは元々は無限次元の作用素であり有界でないので、Hillbert空間の論法も通じず、非可換なので行列式等も複雑になる代数なので、一般の性質を探るのは専門家以外無理なんじゃないでしょうか(もし扱ってる書籍あれば知りたい)
とはいえ、Segal-Shale-Weil表現のような良い構造を持つのは確かで、テストに追われてて時間ないので厳密な構成については省き、今の所病的でない素性の良いものだけを取り扱います。
線形代数の教科書を参照する。(有限次元に関するものだが)
作用素を行列として表しとの2つがともに冪級数の収束円内に入るなら、と計算される。
形式的にはと冪級数展開された関数をに変換したいとき、作用素の固有値に対応する固有関数はとなることから、変換を与える作用素はと分かる。
は形式的冪級数の次数を下げる作用素として機能するので、を作用素の因子に含んでいても問題ない。しかし
については解析的に全て都合よく表すことは出来ないため、
擬微分作用素として代数的に扱うことが望ましい。
非整数階数の微分を考えることがRiemann-Liouville作用素として積分変換の形で導入されている
これは加法性、つまりを満たす。
微分環がLie環と強く関連することを述べる。
を微分環とするとはLie環である。これはLeibnitz則を使うとについて
を巡回的に足しあげると
をみたすのでJacobi恒等式が満たされるのではLie環である。
として数体から関数の集合をつくり、微分環からLie環を組み上げる事も出来て、
より結合的なLie括弧積が出来上がる。
雑多な内容になりましたが、続く記事の準備としたいと思います。
多分あとから更新して内容加えていくと思います。
では(^^)/