モジュラー形式の作用素的な特徴付け
一般次元Hankel変換の作用素的表現を見ていたらモジュラー形式と全く同じ構造が仕組まれていることに気づきましたので、まとめてみました
\begin{align}\gamma=\left(\begin{array} aa&b\\
c&d\end{array}\right) \in PSL_2 \mathbb{C},\partial=\dfrac{\partial}{\partial x}\end{align}とする。このとき \begin{align}A_k (\gamma^{-1})・f(x)&:=e^{-\frac{c}{d}(x^2\partial +kx)}d^{-2x\partial -k}e^{-\frac{b}{d}\partial}・f(x)\\
&=(cx+d)^{-k} f\left(\dfrac{ax+b}{cx+d}\right)\end{align} が成立する。よく知られたように、実際計算してみるとは群作用を与える(作用素的には非自明):
としたとき
\begin{align}A_k(\gamma_1)A_k(\gamma_2)=A_k(\gamma_1 \gamma_2)\end{align}
\begin{align}A_k(\gamma^{-1})=A_k(\gamma)^{-1}\end{align}
\begin{align}A_k(1_2)=1\end{align}
が成り立ち、また、離散部分群 \begin{align}\Gamma_0(N)=\{\gamma\in PSL_2\mathbb{Z};c\equiv 0 \ \ (mod\ N)\}\end{align} に対して、レベル、重さ、のDirichlet指標を保型因子につけたモジュラー形式とは、上半平面>上で正則かつで正則な次の微分方程式の正則関数解である。 \begin{align}\bigcap_{\gamma \in \Gamma_0 (N)}ker(A_k(\gamma)-d^{-\chi})\end{align}
次の乗算作用素
\begin{align}J(\gamma^{-1})・f(x):=\dfrac{1}{cx+d} f(x)\end{align}
は保型因子の作用素である:
\begin{align}A_k(\gamma)=J(\gamma)^{k} A_0(\gamma)\end{align}
は特にMöbius変換作用素として知られている。保型因子の積の公式として
\begin{align}J(\gamma_1 \gamma_2)=J(\gamma_1)A_0 (\gamma_1)J(\gamma_2)A_0(\gamma_1)^{-1}\end{align}
が成立する(から定義してるので通常の関数jと少し流儀が異なるので注意)
また微分形式に対して平行移動とチェインルールから
\begin{align}A_0(\gamma)・\delta x=\delta \dfrac{ax+b}{cx+d}=\delta\dfrac{b-\frac{ad}{c}}{cx+d}=\dfrac{1}{(cx+d)^{2}}\delta x\end{align}
という変換を受けるので次元体積要素の変換は
\begin{align}A_0(\gamma)・g(x)\delta x^{m}=\dfrac{\delta x^{m}}{(cx+d)^{2m}}A_0(\gamma)・g(x)=(A_{2m}(\gamma)・g(x))\delta x^{m}\end{align}
となり重さは次元と関係が深いことが分かりました。
対称群の作用と偏微分とLie代数
こんばんは〜(^^)/
対称群の微分作用素による表現を発見して面白かったので記事にしてみました!
\begin{align}\textbf{x}:=(x_k)_{k=1,\ldots,n} \in \mathbb{C}^n,(\partial_k):=\left(\dfrac{\partial}{\partial x_k}\right)\end{align} j<kについて、、つまり変数の置換と定め、対称群の互換分解して関数に作用させる作用素をと定める。 各変数は独立であるとする。このとき
\begin{align}σ_{jk}=e^{i\pi x_k \partial_k}e^{\frac{\pi}{2}(x_j \partial_k -x_k \partial_j)}\end{align}
が成立する。 [証明概略] Lie代数の元で、演算について \begin{align}[E_+,E_-]=E_0\end{align} \begin{align}[E_0,E_+]=2E_+\end{align} \begin{align}[E_-,E_0]=2E_-\end{align} を満たす3組をと呼ぶ。変数について \begin{align}E_+:=x\partial_y\end{align} \begin{align}E_-:=y\partial_x \end{align} \begin{align}E_0:=x\partial_x -y\partial_y\end{align} と定めるとを成すことが簡単な計算で分かる。なので公式 \begin{align}e^{x\partial_y}e^{-y\partial_x}e^{x\partial_y}=e^{\frac{\pi}{2}(x\partial_y-y\partial_x)}\end{align} が成立する。また \begin{align}e^{a\partial_x}・f(x)=f(x+a)\end{align} \begin{align}b^{x\partial_x}・f(x)=f(bx)\end{align} が成立する。この3つを用いると
\begin{align}&e^{i\pi x_k\partial_k}e^{x_j\partial_k}e^{-x_k\partial_j}e^{x_j\partial_k}・f(x_j,x_k)\\
=&e^{i\pi x_k\partial_k}e^{x_j\partial_k}e^{-x_k\partial_j}・f(x_j,x_k +x_j)\\
=&e^{i\pi x_k\partial_k}e^{x_j\partial_k}・f(x_j-x_k,x_j)\\
=&e^{i\pi x_k\partial_k}・f(-x_k,x_j)\\
=&f(x_k,x_j)\\
=&σ_{jk}・f(\textbf{x})\end{align}
となり、等式が示された。但し以外の変数は省略してある。一般化して \begin{align}\left(\begin{array}{cc}a&b\\
c&d\end{array}\right) \in SL_2 \mathbb{C}\end{align}について \begin{align}e^{\frac{c}{d}x\partial_y}d^{-x\partial_x +y\partial_y}e^{\frac{b}{d}y\partial_x}・f(x,y)=f(ax+by,cx+dy)\end{align} も成立する。 対称群の微分作用素にLie代数が絡むとは思ってなかった.... 微分作用素の解析も多変数化すると深みを増しそうだ。
[追記]あとから気づいたが、
ベクトルの平面での角度について、が成り立つので、平面でπ/2回転させる、つまりを作用させるとからになってで鏡映変換するとになるから互換が作れるって仕組みになってるんですよね。
んでsl2の公式で分解するとそれが鏡映と並進で書ける。
sl_2 tripleを形成してるので様々な公式が得られる。行列を使って簡潔に表示したsし、解説を省いた公式についても後日徹底的にやりたい。
では!
一般化Fourier変換の微分作用素表示
こんにちはー( *・ω・)ノ
今日は今回の実数階Fourier変換の微分作用素表示の定理達すべてを自力で発見・証明できたので紹介していきます!
この記事は以下の続きとなっています。記号・概念もソコ参照です。未だな人は是非!
いんとろでぅくしゅん
\begin{gather} \mathcal{D}=\dfrac{d}{dx} ,X\circ \nabla =X・\nabla +\dfrac{N}{2}\\
\displaystyle \mathcal{F}・g(x)=\dfrac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty} e^{-ixt} g(t) \ dt\end{gather}
この2つの概念を融合させ、
が成立します!実数階(Fractional)Fourier変換に関しては素性がよく分かるので、微分作用素の交換子的な証明を構成しようと思います。
てーり ぷるーふ
これはLie環とLie群をつなぐ関係式である。交換子の簡単な計算から
\begin{gather}\\
[\mathcal{D}^2-x^2+1,x] =2\mathcal{D} \\
[\mathcal{D}^2-x^2+1,\mathcal{D}] =2x\\
\end{gather}
Fractional Fourier変換(のconjugation作用)は円周の構造を持ち、Eulerの等式の類似が成立する。即ち
\begin{align}& e^{\frac{i}{2}\theta(\mathcal{D}^2-x^2+1)}xe^{-\frac{i}{2}\theta(\mathcal{D}^2-x^2)}\\=&Ad\left(\frac{i}{2}\theta(\mathcal{D}^2-x^2+1) \right)・x\\
\displaystyle =&\sum_{k=0}^{\infty} \dfrac{1}{k!} \left(\dfrac{1}{2}i\theta\right)^{k}ad(\mathcal{D}^2-x^2+1)^{k}・x\\
\displaystyle =& x+\sum_{k=1}^{\infty} \dfrac{1}{k!} \left(\dfrac{1}{2}i\theta\right)^{k- 1}(i\theta)ad(\mathcal{D}^2-x^2)^{k- 1}・\mathcal{D}\ \ \ (補 題)\\
\displaystyle =&\cdots \ \ \ \ \ (補 題繰り返し、\mathcal{D}とxが入れ替わる)\\
\displaystyle =&\sum_{k=0,2\mid k}^{\infty} \dfrac{(i\theta)^{k}}{k!} x+\sum_{k=0,2\nmid k}^{\infty} \dfrac{(i\theta)^{k}}{k!}\mathcal{D}\\
=& x\cos\theta +i\mathcal{D}\sin\theta\\
\end{align}
となり、直交座標系の回転をFourier変換(のconjugation作用)が与えている。全く同様に
\begin{align}e^{\frac{i}{2}\theta(\mathcal{D}^2-x^2+1)}i\mathcal{D}e^{-\frac{i}{2}\theta(\mathcal{D}^2-x^2+1)}=i\mathcal{D}\cos\theta-x\sin\theta \end{align}
が成立する。ここまで交換子の話で、一方積分核表示では(天下り的ですが)
\begin{align}\displaystyle \mathcal{F}_{\theta}x・g(x)=\sqrt{\dfrac{1-i\cot \theta}{2\pi}} e^{\frac{i}{2}x^2}\int_{-\infty}^{\infty} e^{\frac{i}{2} t^{2}\cot \theta -ixt c sc \theta} tg(t)\ dt\end{align}
一方
\begin{align}\\&(x\cos\theta \mathcal{F}_{\theta}+i\mathcal{D}\sin\theta \mathcal{F}_{\theta})・g(x)\\
=& \displaystyle \sqrt{\dfrac{1-i\cot \theta}{2\pi}} e^{\frac{i}{2}x^2}\int_{-\infty}^{\infty} e^{\frac{i}{2} t^{2}\cot \theta -ixt c sc \theta} (x\cos\theta)g(t)\ dt\\
&+ \displaystyle \sqrt{\dfrac{1-i\cot \theta}{2\pi}} e^{\frac{i}{2}x^2}\int_{-\infty}^{\infty} e^{\frac{i}{2} t^{2}\cot \alpha -ixt c sc \theta} i\sin\theta(ix\cot\theta-ixtc sc\theta)g(t)\ dt\\
\displaystyle =&\sqrt{\dfrac{1-i\cot \theta}{2\pi}} e^{\frac{i}{2}x^2}\int_{-\infty}^{\infty} e^{\frac{i}{2} t^{2}\cot \theta -ixt c sc \theta} tg(t)\ dt\\
\end{align}
より
\begin{align}\\\mathcal{F}_{\theta}x\mathcal{F}_{\theta}^{-1}=& x\cos\theta+i\mathcal{D}\sin\theta\\
\mathcal{F}_{\theta}i\mathcal{D}\mathcal{F}_{\theta}^{-1}=& i\mathcal{D}\cos\theta-x\sin\theta\\
\end{align}
が成立。
とに対するconjugation作用が等しいことから、準同型定理により、そこから生成される任意の線形作用素に対してconjugation作用が一致することになる。双方が逆元を持つ結合作用素なので、ある定数が在って
\begin{align} \displaystyle e^{\frac{i}{2}\theta(\mathcal{D}^2-x^2+1)}・g(x)=a\sqrt{\dfrac{1-i\cot\theta}{2\pi}}e^{\frac{i}{2}x^2\cot\theta}\int_{-\infty}^{\infty}e^{\frac{i}{2}x^2\cot\theta-ixtc sc\theta}g(t)\ dt\end{align}
と書ける。 と置くと、
より
またFractional Fourier変換の記事で例としてあげた公式より、右辺もとなる。
よってこれにより[定理]は示された。
\begin{align} \displaystyle e^{\frac{i}{2}\theta(\mathcal{D}^2-x^2+1)}・g(x)=\sqrt{\dfrac{1-i\cot\theta}{2\pi}}e^{\frac{i}{2}x^2\cot\theta}\int_{-\infty}^{\infty}e^{\frac{i}{2}x^2\cot\theta}g(t)e^{-ixtcs c\theta}\ dt\end{align}
ところで、左辺はよく見るとFourier変換の形をしています。微分作用素の交換子の準備の記事に置いてあった公式
\begin{align}q^{x\mathcal{D}}・g(x)=g(qx)\end{align}
を使ってやると、
\begin{align}\\\displaystyle & e^{\frac{i}{2}\theta(\mathcal{D}^2-x^2+1)}・g(x)\\
\displaystyle = &|\sin\theta |\sqrt{\dfrac{1-i\cot\theta}{2\pi}}e^{\frac{i}{2}x^2\cot\theta}\int_{-\infty}^{\infty}e^{\frac{i}{2}x^2\cos\theta\sin\theta-ixtcs c\theta}g(t\sin\theta)\ dt\\
\displaystyle =&|\sin\theta|\sqrt{1 -i\cot\theta} e^{\frac{i}{2}x^2 \cot\theta}\mathcal{F}・(e^{\frac{i}{2}x^2\sin\theta\cos\theta} g(x\sin\theta))\\
\displaystyle =&|\sin\theta|\sqrt{1 -i\cot\theta} e^{\frac{i}{2}x^2 \cot\theta}\mathcal{F}e^{\frac{i}{2}x^2\sin\theta\cos\theta}\sin^{x\mathcal{D}} ・g(x)\\
\end{align}
とFourier変換を用いて書くことが出来ました!
てーり ぷろおおふ
は逆変換。Fourier変換のconjugation作用に関する公式 \begin{align}\mathcal{F}x\mathcal{F}^{-1}=i\mathcal{D}\\
\mathcal{F}\mathcal{D}\mathcal{F}^{-1}=ix\end{align}
があり、準同型としてはたらくことから正則2変数関数について
が成立。のにを代入し、両辺に右からを掛けると
\begin{align}&e^{\frac{i}{2}\phi (\mathcal{D}^2-x^2+1)}\\
=&|\sin\theta|\sqrt{1 -i\cot (\theta+\phi)}\ e^{\frac{i}{2}x^2 \cot(\theta+\phi)}\mathcal{F}e^{\frac{i}{4}x^2\sin 2(\theta+\phi)}\sin^{x\mathcal{D}}(\theta+\phi) \\
&×\dfrac{|c sc\theta|}{\sqrt{1 -i\cot\theta}} \sin^{-x\mathcal{D}} \theta\ e^{-\frac{i}{4}x^2\sin 2\theta}\mathcal{F}^{-1} e^{-\frac{i}{2}x^2 \cot\theta}\\
=&\dfrac{\sqrt{1-i\cot (\theta+\phi)}}{\sqrt{1-i\cot \theta}}e^{\frac{i}{2}x^2\cot (\theta+\phi)}\\
&×\left(\dfrac{\sin (\theta+\phi)}{\sin\theta}\right)^{x\mathcal{D}}e^{\frac{i}{4}\mathcal{D}^2\sin 2\theta}e^{-\frac{i}{2}x^2\cot\theta} \end{align}
自由な変数を動かしてを満たすよう定めると\\
である。と置くと
\begin{align}&\sin\theta=\sin\theta\cos\phi+\cos\theta\sin\phi\\
&\cot\theta =\dfrac{1-\cos \phi}{\sin\phi}=\tan\varphi\\
&\cot (\theta+\phi) =-\tan\varphi\\
&\sin 2(\theta+\phi) =\dfrac{2\cot\theta+\phi}{1+\cot^2 \theta+\phi}=\sin 2\varphi\\
&\sin 2\theta =-\sin 2\varphi\\
\end{align}
最終的に
\begin{align}\\
&e^{i\varphi (\mathcal{D}^2-x^2+1)} =\dfrac{\sqrt{1+i\tan\varphi}}{\sqrt{1-i\tan\varphi}}e^{-\frac{i}{2}x^2 \tan\varphi}e^{\frac{i}{2}\mathcal{D}^2 \sin 2\varphi} e^{-\frac{i}{2}x^2 \tan\varphi}\\
&e^{i\varphi (\mathcal{D}^2-x^2)} =e^{-\frac{i}{2}x^2 \tan\varphi}e^{\frac{i}{2}\mathcal{D}^2 \sin 2\varphi} e^{-\frac{i}{2}x^2 \tan\varphi}\\
\end{align}
あとはが可換であることを用いて多重化してやると
\begin{align} \displaystyle e^{i\varphi(\nabla^2-X^2)}=e^{-\frac{i\pi}{4}}e^{\frac{i}{2}X^2\tan\varphi}e^{\frac{i}{2}\nabla^2\sin 2\varphi}e^{-\frac{i}{2}X^2\tan\varphi}\end{align}
となり、が示された。Q.E.D.
ただし、、
また、[定理]両辺にをconjugation作用させて
も導ける。
を代入すると
\begin{align}e^{\frac{\pi i}{4}(\mathcal{D}^2-x^2) }=e^{-\frac{i}{2}x^2}e^{\frac{i}{2}\mathcal{D}^2}e^{-\frac{i}{2}x^2}\end{align}
面白かったでしょうか??? Fourier変換と微分は単位複素数と座標のような関係にあります。即ち xy直交座標をGauss平面に移植してなる同一視を行うのと同様にという同一視を行うと原点回転は と与えられるという事はFractional Fourier変換の記事で書いた から分かります。この2つの式は複素数で言うところのEulerの公式 と対応してます。回転より一般の線形変換はの作用があります。実はFractional Fourier変換はLinear Canonical変換という形での作用を積分変換として表せる事ができるのです!そしてこれも微分作用素表示を持っていて次回の記事の話題とします。これに関しては論文で扱ってるものを見たことがありません。あと、[定理1]、[定理2]は自分で導いた後、2000年辺りの論文に載っている事を確認しました。かなしいw 多重化に関しては、集合の直積と関わりが強く、[定理2]はで各要素を回転させることと対応しています。 Fractional Fourier変換はLinear Canonical Transformは特殊線形群をパラメータとしてとる変換で、その視点でみると、特殊線形群の中でも回転行列と同型の構造を取れて、2次特殊直交群としての性格を持ちます。の中にが含まれていて、それが丁度Fourier変換に対応しています。Linear Canonical変換では
\begin{align}\left(\begin{array}{rr}
1 & -1 \\
1 & 1 \\
\end{array}\right)\end{align}
なる行列と対応していて、の2次元行列による表示での虚数単位の表示と一致します。 [定理2]をみると同じで両側から挟み込まれた形態をしていますが、何故なのかはあまり理解してません。 2階微分作用素の指数関数の交換子公式を使って[定理2]を先に進める事ができます!
Tayley pluiph
はJordan積といいという定義で[準備]で話したように交換子の公式を使うと
となる。
これをN個足し合わせて偏微分版と計算できる。ここで補題。
被作用関数としてを考え、両辺のへの作用が一致することを示せば、が一次独立で局所的に正則な関数全体を張ることから作用素の等号を示すことができる。、でそれぞれ[補題]の右辺、左辺の事を指す。はの固有値対応の固有関数であるので、とを正則な領域に含む形式的冪級数が存在する任意の関数について
となることは[準備]で話した通りである。従って
となる。作用はGauss積分の作用素を応用する。先ず次の等式が成立する。
で分岐してしまうので多価性は排除している。これにを代入すると、
\begin{align}\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-at^2+2atc\mathcal{D}-ac^2 \mathcal{D}^2}dx =\sqrt{\dfrac{\pi}{a}} \end{align}
\begin{align}\displaystyle e^{ac^2 \mathcal{D}^2} =\sqrt{\dfrac{a}{\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}e^{-at^2}e^{2atc\mathcal{D}} dt\end{align}
すなわち、を用いると
\begin{align}\displaystyle e^{ac^2 \mathcal{D}^2} ・g(x)=\sqrt{\dfrac{a}{\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}e^{-at^2}g(x+2atc) \ dt\end{align}
が成立。2回微分作用の指数関数は解析的に書けるのである。因みにWeistrass変換と呼ばれている。
\begin{align}a=\dfrac{\pi}{1+\alpha \beta},c=\sqrt{\dfrac{i}{2}\dfrac{\pi \beta}{1+\alpha \beta}}\end{align}
としてこれを用いると
\begin{align} & \displaystyle (LHS)・e^{kx}\\\displaystyle =&e^{\frac{i}{2}\beta \mathcal{D}^2}・e^{\frac{i}{2}\alpha x^2+kx}\\
\displaystyle =& \dfrac{1}{\sqrt{1+\alpha \beta}}\int_{-\infty}^{\infty}e^{\dfrac{-\pi}{1+\alpha\beta} u^2}e^{\dfrac{i\alpha}{2} \left(x+u\sqrt{\dfrac{2\pi i\beta}{1+\alpha\beta}}\right)^2}e^{k\left(x+u\sqrt{\dfrac{2\pi i\beta}{1+\alpha\beta}}\right)^2} du\\
\displaystyle =& \dfrac{1}{\sqrt{1+\alpha\beta}} \int_{-\infty}^{\infty}e^{\dfrac{-\pi u^2}{1+\alpha\beta}}e^{\dfrac{-\pi \alpha\beta u^2}{1+\alpha\beta}}e^{kx} du\\
&×e^{ix\alpha u\dfrac{2\pi i\beta}{1+\alpha\beta}}e^{\dfrac{i\alpha x^2}{2}}e^{ku\sqrt{\dfrac{2\pi i\beta}{1+\alpha\beta}}} dt\\
&=\dfrac{1}{\sqrt{1+\alpha\beta}}e^{\dfrac{i\alpha x^2}{2} +kx}\int_{-\infty}^{\infty}e^{-\pi u^2}e^{2\pi u\sqrt{\dfrac{1}{2\pi}\dfrac{i\beta}{1+\alpha\beta}}(i\alpha x+k)} du\\
&=\dfrac{1}{\sqrt{1+\alpha\beta}}\sqrt{\dfrac{\pi}{\pi}}e^{\dfrac{i}{2}\alpha x^2 +kx}e ^{\dfrac{1}{2}\dfrac{i\beta}{1+\alpha\beta} (i\alpha x+k)^2}\\
&=\dfrac{1}{\sqrt{1+\alpha\beta}}e^{\dfrac{i}{2}\dfrac{\beta k^2}{1+\alpha\beta}}e^{\dfrac{ix^2}{2}\dfrac{\alpha^2\beta+\alpha-\alpha^2\beta}{1+\alpha\beta}}e^{kx+i\alpha k ix\dfrac{i\beta}{1+\alpha\beta}}\\
&=\dfrac{1}{\sqrt{1+\alpha\beta}}e^{\dfrac{ix^2}{2}\dfrac{\alpha}{1+\alpha\beta}}e^{\dfrac{i}{2}\dfrac{\beta k^2}{1+\alpha\beta}}e^{\dfrac{kx}{1+\alpha\beta}}\\
\end{align}
=&e^{-\frac{i}{2}x^2}\left(e^{\frac{i}{2}\mathcal{D}^2 \sin\theta}e^{-\frac{i}{2}x^2\cot\theta}\right)\\
=&e^{-\frac{ix^2}{2}\cot\theta}e^{-\frac{ix^2}{2}\frac{\cot\theta}{1-\sin 2\theta \cot\theta}}(1-\cot\theta \sin 2\theta )^{-x\circ \mathcal{D}}e^{\frac{i\mathcal{D}^2}{2}\frac{\sin 2\theta}{1-\sin 2\theta \cot\theta}}\\
=&e^{ \theta (\mathcal{D}^2 -x^2)}=e^{-\frac{i}{2}x^2 \tan 2\theta}\cos^{-x\circ \mathcal{D}} 2\theta e^{\frac{i}{2} \mathcal{D}^2 \tan 2\theta}\end{align}
Ray
\int_0^\infty x^{2n+1} \exp\left(-\frac{x^2}{a^2}\right)dx &= \frac{n!}{2} a^{2n+2}\end{align}
=&\displaystyle \sqrt{\dfrac{c sc\theta}{2\pi}}e^{-\frac{i}{2}x^2 \tan \theta}\sum_{m=0}^{\infty}\dfrac{n!}{\Gamma (n-m+1)\Gamma (\dfrac{m}{2}+1)}(\frac{i}{2}\tan \theta)^{m+\frac{1}{2}}(x\sec \theta)^{n-m}\\
=&\displaystyle \sum_{N=0}^{\infty} x^N \sum_{K=0}^{\infty}\sqrt{\dfrac{c sc\theta}{2\pi}}\dfrac{n!\cos^{2K-N}\theta (\frac{i}{2}\tan\theta)^{n+2K-N+\frac{1}{2}}}{\Gamma (N-2K+1)\Gamma (\frac{n-N}{2}+K+1)}\\
\end{align}
交換子の公式の準備
こんにちはー(`・ω・)b
Fractional Fourier Transform(FrFT,分数階フーリエ変換)の微分作用素の表示
(りんく)
の下準備としてこの記事を書きます。
微分作用素の交換子の計算をLie括弧積をつかって色々やります
形式的冪級数を
に変換する
ものである。冪級数の係数のみを取り出しのように
表すと無限次元複素ベクトル空間の元と対応するが、微分作用によって
と変化するので微分作用素は
行列という無限次元行列と見なせる。
この行列を介して微分作用素の指数関数を自然に導入できる。
幾つかは既に記事としてあります。
(クソ古い記事)
Lie括弧積の計算についてみていきましょ〜
[定義] 次を満たす線型空間上の双線型形式をLie括弧積と言う。
(Jacobi恒等式)
複素数の形式的冪級数環は線型空間で、そこに微分作用素を付加えて交換子を計算できる。
交換子の公式についてはここを参照してください〜
以後使う公式はここから出します。
、と書く。
混乱の無いようはスカラーでどの元とも可換に計算できる、は関数と定めておく。
記法上の注意だが、とをドット積""で厳密に区別する。
前者は作用素で、関数に作用させると
と計算される。後者はただの微分である。
関数値やスカラーのドット積はその値をそのまま掛けると定める
より作用に関してが成立。
特にとして
[1]
を導く。、量子力学では、正準交換関係(CCR)の数式として登場する。次の指数関数は量子力学の平行移動の演算子として登場する。
[2]
同様に変数変換してやると、並進演算子
[3]
が出る。q-derivativeと差分が、Lie環・群の対応のように結びつく。
[1]より特にであるので
[参照]より
と計算できる。
はなどと呼ばれるが、と変数変換してやればである。またJordan積はという記法もあり、は対称性を重視する際よく出てくる。
ここまでの複合された数式を幾つか見ましたが、一般の等号の成立の条件を実はよく理解していません。というのはは元々は無限次元の作用素であり有界でないので、Hillbert空間の論法も通じず、非可換なので行列式等も複雑になる代数なので、一般の性質を探るのは専門家以外無理なんじゃないでしょうか(もし扱ってる書籍あれば知りたい)
とはいえ、Segal-Shale-Weil表現のような良い構造を持つのは確かで、テストに追われてて時間ないので厳密な構成については省き、今の所病的でない素性の良いものだけを取り扱います。
線形代数の教科書を参照する。(有限次元に関するものだが)
作用素を行列として表しとの2つがともに冪級数の収束円内に入るなら、と計算される。
形式的にはと冪級数展開された関数をに変換したいとき、作用素の固有値に対応する固有関数はとなることから、変換を与える作用素はと分かる。
は形式的冪級数の次数を下げる作用素として機能するので、を作用素の因子に含んでいても問題ない。しかし
については解析的に全て都合よく表すことは出来ないため、
擬微分作用素として代数的に扱うことが望ましい。
非整数階数の微分を考えることがRiemann-Liouville作用素として積分変換の形で導入されている
これは加法性、つまりを満たす。
微分環がLie環と強く関連することを述べる。
を微分環とするとはLie環である。これはLeibnitz則を使うとについて
を巡回的に足しあげると
をみたすのでJacobi恒等式が満たされるのではLie環である。
として数体から関数の集合をつくり、微分環からLie環を組み上げる事も出来て、
より結合的なLie括弧積が出来上がる。
雑多な内容になりましたが、続く記事の準備としたいと思います。
多分あとから更新して内容加えていくと思います。
では(^^)/
実数階フーリエ変換
こんばんは( *・ω・)ノ久しい更新です
先日、60ページくらいある進捗の数式全部書いたノート失くして心が枯れてます^^;
進捗を公開して、モチベ上げようと思います。
Fourier変換の微分作用素と諸公式の証明を目標に頑張ります(`・ω・´)ゞ
では開始。今回、Fourier変換の流儀は
と定める。逆変換は
である。の作用には周期性があり
、、
となる。(後方2つは同じ意味)
実は今後見ていくようには虚数単位と同様の構造を持つ事が解析的にも表現論的にも判明します!! 本記事ではの回作用を回まで拡張したものをwikiで見て、証明を自分で考えてみたので、載せようと思います。
[主定理] 以下がFourier変換の実数階作用を与える
は区間,両方の積分を考えていて、Fourier変換作用自体の持つ2価な性質を反映している。因子のの持つ代数分岐が原因だが、計算の都合上、積分区間、の値域は偏角で定めて置くことにする。
Fourier変換の拡張は幾らでも人為的に作れますが、後々見る微分作用素による表現論的解釈を考えると極めて自然な定義と唸るでしょう。以下特徴付け
[命題]
(i)特殊ケース
(ii)基本周期
(iii)加法性
[証明]
(i)は発散してるので極限値で与える。
は容易に分かる。
//
(ii) 定数関数 に作用させると
となる。この事からは未満の周期性を持たない。
また、等式から周期、は容易に分かる。
//
(iii)本題であります。
と置く。
この2つから、
を示せば十分と分かる。
複素平面で考えれば
は虚部が全て同符号となる事は無い。従っての加法定理より
と計算できる。従って
//
(i)(ii)(iii)より主定理は証明された。
Q.E.D. 証明完了!(`・ ω・´)ゞ
積分形が与えられているので1日で自力で証明出来ましたが発見するのは難しいと思います。
任意の線形作用素は、超関数も許せば2変数関数(核関数)によってなる形に書けることが知られています(Scwartzの定理)
分数階フーリエ変換変換はMehler核という2次の指数関数を用いて解析的に良い形で書けるわけです。
具体的な関数の作用について見ていきましょう。
[例]
に作用させるとGauss積分より
の場合を足しあげて
などなど。性質について探って行きましょ〜(証明は楽)
[性質]
等と書いておきます。
・線型性
・逆変換
・可換
・結合
・引数平行移動
・反転
・指数関数倍
・複素共役(実関数)
・Parseval等式
積分表示から、と書けるので
まぁざっとこんなもんですかね。次の次の次の記事がきっと凄く面白い内容となるでしょう!
]
微分方程式の研究と悪あがき
こんばんは〜(が1番確率的に多いかな?)
が今自分の研究の中で重要な役割を果たすんですが、
全然性質が分からないorz
ということで悪足掻きをしています。
これはテータ関数版微分という概念を定義した際のの対応物になります
まずフツーのの現象を見ていきますね。
任意のに対しが成立しますが、(積分定数全体が同値類の空間を張ると考えることします)
を代入するとというワケノワカラナイ物が出来ますが、
実際はであるという事を高校で習います。
は性質が非常に豊潤ですが、テータ関数版微分の(以後)は
制約が厳しく、性質が限られていくことになります。
の定義は微分方程式の解とします。
まだ初期値は与えてない(というか関数が求まってないので決めかねる)ので自由度があります。
二階微分を含みますので、2次元の自由度があるように思っていますがどうなんでしょう。
1つ自由度は見つかってててが定義方程式を満たすとき任意のについて
ですので引数のスカラー倍はして良いことになります。
の逆関数はであり、微分に関して良い性質を持つのはよく知られています。
の逆関数をとしてみると最初の式から色々計算して
とできます。ただし見やすさのためはgの1階微分と書いてます
と置くととなります。
導関数が0ならか程度しか分かりませんが。
に話を戻すと、
のときが分かります
xについて同次なのでと置換すれば
さらにとし、
であります。
とすれば
でよりで
つまり中心の円板領域を除けばyは有界であることが分かります。
での挙動が1番重要ですが、程度という推測しか付きません。
desmosで検証したところが1番近い関数とわかりました。
■
[問題]
関数fのp回合成をと書く。
自然数pに対し複素数係数有理式で...(0)となるものを求めよ,
御無沙汰です。久しぶりの更新です|*・ω・)チラッ
自作問題です
ある意味不十分な解答です(ごめんなさい)
[解答]
で右辺は上全単射なので、f(x)も上全単射である。...(1)
は有理関数なので代数学の基本定理から
(ただし既約分数、)と因数分解できるが、
相異なる複素数があってとなるときfの単射性(1)に反するので
は1次式の冪である。同様にも1次式の冪。
ところでの一方が2次以上の式ならf(x)の値を固定したとき
xの方程式で相異なる解が2つ以上出るが、fの全射性(1)に反する。
よっては高々1次式。
まず次式と仮定して(0)から
より
と置くと
∴ ...(2)
これを除くと
. と書ける。
このとき次の事実が成立する。ただし>
は自明。は分母を払って
なる形に帰着できる。自由度は3なので
を調整し、に持ってければ勝ちです。
の不動点について見ると、2次方程式から、高々2点の不動点が出る。
もし重解がある時、不動点は1つだけだがその点における微分係数は1になり、
結局2自由度分の情報が得られる。...(3)
あとは1点の情報を付加すればを決定できるのでok
(3)の計算は、不動点zがを満たすので解いて
となる。重解の際だが
。
よって示された。
以上より、解は
全単射であることが超強い条件だなという実感です。
最近ある研究の過程で次の微分方程式が出てきたんですが、
全く解けなくて1ヶ月以上苦しんでいます。
部分的な変形でも良いので何かお助けお願いします!
特殊すぎる解ですが
という「「発散表示」」は見つけました。
xについて同次形なのでと置換し、
更に微分次数下げを行って、とすれば
が得られます。
log味が強いのでx=0での冪級数法は通じないでしょう。
x=1とかでプログラムで計算できる方とかいらっしゃらないかな